「今までで一番合ってる女性。前の奥さんを普通に超えてる。愛してるよ」
彼は、そんな調子のいいことばかり言っていた。
私は「愛してる」なんて言葉を、誰かから言われたことがなかった。
そう伝えると、彼はこう言った。
「じゃあ、本心から愛してるって思った時に言って?いつまでも待つから」
今思えば、彼はそんなセリフを吐く自分に酔っていたのかもしれない。
でも、正直なところ、当時の私は彼の“少し調子が良すぎるところ”に、どこかで引っかかっていたのだと思う。
だから私は、こう言った。
「口で言うのはタダだから、これから行動で示していってね」
こじれたあと、彼は「最初から合わないと思ってた」と言い出した。
その時、私は思わず突っ込んだ。
「いや、前に今までで一番合ってたって言ってたよね?」
すると彼は、こう返してきた。
「あー、あれは趣味が一番合ってたってだけ」
「愛してるも喜ぶと思ったから言っただけ」
……嘘八百すぎて、開いた口が塞がらなかった。
本当に彼は、もう私のことを嫌いになったのだろうか。
あんなに毎日話していたのに。
あんなに楽しく話していたのに。
今も彼は、私のことを綺麗さっぱり忘れて生きているのだろうか。
そんなことを考え始めると、気持ちはどんどん沈んでいく。
でも、こうして彼の言葉を何度も検証している時間こそ、私はまた彼に自分の中心を渡してしまっているのかもしれない。
だから最近は、憂鬱な気持ちになった時ほど、自分のやるべきことに戻るようにしている。
勉強する。
料理をする。
記事を書く。
洗濯物を畳む。
彼の言葉を追いかけるより、今日の私を少しでも助ける。
たぶん今の私に必要なのは、そこなのだと思う。
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